長崎県雲仙普賢岳で発生した1991年6月3日大火砕流災害(死者40人・不明者3人)から30年。2日夜に雲仙岳災害記念館前で犠牲者を悼むキャンドル1千個が灯され、3日には島原市主催の犠牲者追悼式が開かれた。遺族は自衛隊のヘリコプターで上空から慰霊した。
これに先立つ3月22日、掘り出された車両3台などが保存展示され、災害遺構として整備された。
この噴火災害は、噴火の撮影ポイントにいた報道関係者16人と同行のタクシー運転手4人、12人の消防団員や警察官、住民など、避難勧告に従わず取材する報道陣の警戒にあたっていた人も巻き込まれ、メディアの災害報道にも重い教訓を残した災害でもあった。
現在、火山活動は落ち着いているが、継続的な監視が欠かせない。現地で20年前から続けているのが「防災登山」で、九州大の研究者と地元自治体、警察、消防、報道関係者が一緒に定期的に普賢岳に登り、研究者の解説とともに溶岩ドームの状況を確かめ、情報と危機意識を共有しているという。教訓の実践活動である。
>>長崎県島原市:広報しまばら 令和3年6月号(第805号)
〈2021. 06. 13. by Bosai Plus〉