イメージカット:アクアボーイ『JB-1』

床下浸水対策だけではない――
原発、ひいては”フクシマ”の復旧・復興にも、
汚染水吸水で少なからぬ貢献を果たしたスマートボーイ

●水害のやっかいなところは、水が引いた後――浸水する前の備えをしっかり

 河川が氾濫する大規模水害や土砂崩れ、がけ崩れなどは大きな災害であり、その対策はハード面の多くを行政の「公助」に頼ることになる。ひるがえって私たち市民の「自助・共助」としては、浸水が想定される地区や避難経路・避難所など(浸水の深さ、標高なども)を示した「浸水ハザードマップ」の活用、そして防災気象情報や、雨域・河川水位情報をいつでも入手できる法を知っておくなど、ソフト面の対策が重要だ。

 ただ、“日常災害としての水害”を考えると、少なくとも床下浸水防ぐ個人・企業レベルでの「土のうの備え=“ハード対策”」が欠かせない。不幸中の幸いで、人的被害や建物の損壊などの大きな被害はまぬがれて床下浸水で済んでも、水害のやっかいなところは、水が引いた後。泥や漂流物、ゴミが家・建物内部に残され、汚損し、衛生上の問題も発生する。この後始末は意外に重労働で、時間のかかる“復旧作業”となる。

 浸水被害を避けるために事前に備えておきたいのは「土のう」だ。「土のう」は漢字だと「土嚢」で布袋の中に土砂を詰めて用いる土木資材――というと、いかにもアナログ的で、重くて古色蒼然としたイメージがある。しかし、最先端の”テクノ土のう”は、かつての土嚢よりはるかにスマートで扱いやすくなっている。その事例として紹介したいのは「機能するジュートバッグ(Jute Bag=麻製のバッグ)=『アクアボーイ JB-1』」だ。

●吸水量と吸水スピード抜群、コンパクト収納で、環境にやさしい後処理

 実は本紙はちょうど6年前の2015年6月1日付け記事「通常災害としての都市水害 浸水する前の備え」で“初代”『 アクアボーイ』を紹介した。そして今回、改めて取り上げるのは、この『アクアボーイ』が新たに、特許申請済み洪水仕様・吸水性土のう『アクアボーイ JB-1(Jute Bag 1)』として再デビューしたからだ。

 『アクアボーイ JB-1』は、気象情報とハザードマップから少しでも大雨での浸水可能性があれば、ただちに浸水対策を講じられる優れもの簡易防水堤だ。一般的な麻袋入り吸水性土のうは、吸水前は軽いために荒天下で風に飛ばされたり、吸水前に水に流されたり、また吸水すると丸く膨らんで隙間から水を通過させる弱点があったが、同製品はその不具合をすべて解消、その性能を特許申請要件としたものだ。

 吸水機能を持つ土のうへの市場の要請は大きく、『アクアボーイ』開発の歴史も長い。この開発を31年間手がけてきた株式会社メイコーエンタプライズは、その経験とノウハウで、コストパフォーマンスの高い機能性土のう『アクアボーイ JB-1』の生産に成功した。
 『アクアボーイ JB-1』の保管は省スペースで、持ち運びも楽、天候の急変で浸水可能性があるときに、女性や子どもにも仮設置を頼めて、浸水想定箇所にバリアー(防水提)をすぐに築け、あとは積み重ねでの微調整だけ。ちなみに水槽に入れると水に沈み、3分ほどで22kgの土のうのように膨らむので、より作業がしやすくなる。

 なお、下図解説パンフで実物の白く見える紐は、上下の口を3カ所止めしているタコ紐で、使用後はカットして中袋を取り出し、簡単処理するための工夫だ。

P5 1 『アクアボーイ JB 1』カタログより - “機能性土のう”で浸水を防ぐ<br>『アクアボーイ JB-1』
『アクアボーイ-JB-1』カタログより
P5 2 『アクアボーイ JB 1』カタログより - “機能性土のう”で浸水を防ぐ<br>『アクアボーイ JB-1』
P5 3 コンパクトな収納が可能 - “機能性土のう”で浸水を防ぐ<br>『アクアボーイ JB-1』
コンパクトな収納が可能

●住宅、商業ビル、マンション……そして原発事故でも採用された確かな実績

 『アクアボーイ』はこれまでの実績として、住宅用・商業用建物での雨水浸水防止はもちろん、ビル地下排水溝への逆流防止でも役立っている。さらに“初代”『アクアボーイ』は、原発災害での復旧・復興への貢献という実績もある。2007年7月に発生した中越地震で東京電力柏崎刈羽原発で被害が発生、原子炉建屋で消火用配管の損傷による水漏れと放射性物質による汚染水を固定する有効な手段として『アクアボーイ』が大量に採用された。
 また、2011年3月発生の東日本大震災で破壊された福島第一原発内でも、吸水性能の高さと安価な調達で、漏水汚染水対策として大量に導入されている。
 原発、ひいては”フクシマ”の復旧・復興にも少なからぬ貢献をしてきた“スマートボーイ”と言ってもいいだろう。

>>アクアボーイ株式会社

〈2021. 05. 29. by Bosai Plus

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