応用地質など、新型冠水検知・警告システムの実証試験を開始
気候変動等の影響下、全国的に豪雨による浸水被害が増加するなか、ユアサ商事株式会社(東京都千代田区)、応用地質株式会社(東京都千代田区)、株式会社サンポール(広島市)は、身近な道路の車止め内に冠水センサを組み込んだ「冠水センサボラード」を開発し、これまでに京都府や静岡県、千葉県等で実証試験を行ってきた。
冠水センサボラードは、冠水検知機能と関係者へのメール機能、非常灯による周囲の通行者への警告機能を備えているが、車止めを必要としない道路や、冠水地点から離れた場所に警告が必要なケースでは適用性に課題があった。そこで今回、株式会社キャットアイ(大阪市)、および環境エクステリア株式会社(東京都町田市)の2社を加え、冠水センサボラードと無線警告灯システムとを組み合わせることで、冠水地点から離れた場所にも浸水の危険を周知し、道路の通行者が早期にリスク回避できる新たなシステムを開発した。
加えて、これまでの一般的な道路冠水警報システムは、冠水を検知するセンサ部と、警告灯や情報表示板などを有線で接続し、また、いずれも商用電源を必要とするものが多く、システム導入時には設置コストが高額になる課題もあった。しかし、同システムでは、冠水センサボラードを親機とし、親機が検知したハザード情報を遠方に設置した複数の子機が受信。子機の警告灯を発光させることで、周囲の道路通行者に危険を知らせる。親機・子機間の通信は無線で行い、また子機の電源は子機内蔵のバッテリーで賄うため電気工事が不要となり、導入コストとランニングコストの低減が実現可能となる。
▼通常時:夜間のみ自動点滅(緑色)し、視線誘導灯として機能
▼冠水時:冠水センサボラード(親機)から信号を受信し、昼夜問わず赤色点滅。複数の無線警告灯は同期して点滅。冠水が解消して一定時間信号を受信しなければ自動消灯し、通常動作へ移行
冠水センサボラードは、静岡県小山町内で4月15日から実証試験を開始している。
〈2021. 05. 15. by Bosai Plus〉