18の自然災害リスク、社会脆弱性を
地域別に解析・指標化
米国連邦緊急事態管理庁(FEMA)は、州や地方自治体の自然災害リスク、社会的脆弱性を分析・指標化し、災害に備え、被害軽減に役立たせようという新しいオンラインマッピングアプリケーション「ナショナル・リスク・インデックス(National Risk Index=NRI)」をこのほど(2021年1月8日)公表した。
マッピングアプリケーションは、自然災害リスク指標を視覚化したもので、予想される被害による年間損失額、社会的脆弱性、およびコミュニティの回復力に関するデータを含む。
NRIの対話型(インタラクティブな)ウェブマップは、郡(カウンティ)および国勢調査区レベルで、地理情報システム(GIS)の個別仕様・分析用の機能サービスを介して利用でき、オンラインマップとデータを介して、自然災害に対するコミュニティのリスクの全体像を直感的に把握することができるというもの。
NRIの活用で、災害対応計画、事前復興計画などへの取組みの優先順位づけを支援することができ、具体的には――
・緊急時の対応計画の更新
・ハザード軽減計画の強化
・リソースの優先順位づけ・割り当て
・より洗練されたリスク評価の必要性の特定
・コミュニティレベルでのリスクコミュニケーション推進と参画の奨励
・住宅所有者と賃貸人に向けた防災教育
・強化された各種規準・標準の適用をサポート
・長期的なコミュニティ復旧・復興状況の広報
ちなみに、FEMAが取り上げた18のハザードは(英語のアルファベット順で)――
雪崩、沿岸洪水(Coastal Flood)、住宅火災、ダム決壊、干ばつ、ほこり(Dust)、地震、侵食(Erosion)、膨張土(Expansive Soils)、極端な気温(Extreme Temperatures)、地割れ(Fissure)、洪水、濃霧、雹(Hail)、高波(Hig Surf)、ハリケーン、地すべり、堤防決壊(Levee Failure)、落雷、塩害、海面上昇、酷暑(Severe Summer Weather)、地盤沈下(Subsidence)、竜巻、津波(静振:Seiche=湖沼や湾内でみられる水の振動)、火山噴火、森林火災、強風、厳寒(冬季)となっている。
日本のハザードの分類と比べてみると興味深い。
>>FEMA:National Risk Index for Natural Hazards (NRI) *英語サイト
〈2021. 01. 06. by Bosai Plus〉