ドライバーのみなさん、
大雪 立ち往生対策 大丈夫ですか!
昨年12月の大雪での関越自動車道の2000台立ち往生を教訓に
備え・対応の知識を…EV(車)はとくにご注意
2020年12月16日から18日の夜にかけて関越自動車道で多くのクルマが立ち往生するという事態が発生した。気象庁は16日、冬型の気圧配置による強い寒気の影響で、日本海側を中心に大雪になっている所があると発表、17日まで断続的に雪が降ると予想して雪崩や路面の凍結への警戒、交通への影響に注意するよう呼びかけていた。
この大雪で新潟県などで、積雪のために車が動けなくなる「立ち往生」が発生した。とくに深刻だったのが関越自動車道で、16日午後から塩沢石打IC付近から六日町IC付近にかけて、上下線で2000台以上に及ぶ立ち往生が発生、自衛隊による災害派遣も行われ、50時間以上経過した12月18日の22時15分までこの状況が解消できなかった。
大雪のなかでの車の立往生は、ときに人命にもかかわる。報道によればこのとき17時間以上にわたって車内に閉じ込められたあるドライバーは、「生きるか死ぬかの思い」だったと語ったという。積雪による車の立ち往生は一種の交通渋滞と思われがちだが、ときに命の危険も伴う。それはなぜか。
JAF(一般社団法人日本自動車連盟)によると、「大雪の際に路上で立ち往生することとなったり、天候の回復を待ってスキー場で仮眠したりする際、エンジンをかけたまま車の中で過ごすことがある。その際に注意したいのが『車内での一酸化炭素(CO)中毒』。積雪や吹き溜まりにより車両が覆われ、マフラーを塞いでしまうことにより排ガスが車内に入り、重大事故に至るケースもある。COは無色無臭のため、気づかないうちに中毒となる危険がある」とする。
また、「CO中毒を避けるには、マフラー周辺の除雪が有効。防寒着などの用意がなく、暖房を使うためにエンジンをかけざるを得ない場合は、頻繁にマフラー周辺を除雪するように。積雪の多いエリアへ出かけるときは、除雪用スコップ、防寒着、毛布などを用意し、車内にとどまる際には、できるだけエンジンを切るように」とアドバイスしている。
ちなみに、わが国では2050年までに「脱ガソリン」、すべての車をハイブリッド車や電気自動車(EV)などにする方向で調整中だ。だが、今回の大雪での車の立ち往生で、ガソリン車のエンジンの暖房のおかげで暖を得て救われた人も多かったはずという指摘が相次ぐ。
もし、電気自動車で同じ状況に遭遇してしまったら、ガソリン車よりも深刻な生死に関わる事態になったという。今後EVの性能が進化する過程で、寒冷地や大雪の際のパフォーマンス向上が重要課題となるようだ。
〈2021. 01. 05. by Bosai Plus〉