よりリアルに地震災害をイメージ化
銀座3丁目なら震度6強以上の地震に襲われる確率32%、
停電復旧に5日間、断水日数41日間……
一般社団法人日本損害保険協会(以下、「損保協会」)と国立研究開発法人防災科学技術研究所(以下、「防災科研」)が連携して、災害関連データを活用したデジタルコンテンツ『地震10秒診断』を8月28日から公開している。
『地震10秒診断』では、防災科研が地震の予測データとライフラインの支障日数シミュレーションデータなどを損保協会に提供し、損保協会は、利用者の位置情報をもとに防災科研から提供されるデータから、その場所で今後30年以内に、震度5弱~震度7までの5段階の揺れに見舞われる確率と、ライフライン復旧にかかる期間などの数値を推定し、『地震10秒診断』の結果として「地震保険特設サイト」に掲載する。
例として、「東京都中央区銀座3丁目」で『地震10秒診断』を実施した場合、今後30年以内に震度6強以上の揺れに見舞われる確率は32%となる。ライフラインが復旧するまでに、停電日数が5日間、ガス停止日数が27日間、断水日数は41日間に及ぶことなどが表示される。このほか、家屋の全壊確率(木造および鉄骨コンクリート造)、出火確率も表示メニューからシミュレーションされる。
利用者の位置情報に連動した結果・推計が得られることで、地震での物理的な身の危険がイメージできるのと同時に、地震後の生活再建、あるいは備蓄をはじめ事前防災への想像力がよりリアルにイメージでき、各場所での地震への備えを自分ごととして考えるきっかけになりそうだ。
ちなみに防災科研(茨城県つくば市)は、自然災害と防災に関する研究を行う文部科学省所管の研究所。約1800カ所に設置された地震計による地震観測のほか、地震やその被害予測、火山噴火予知、その他の自然災害の予測研究などを行っている。
地震の予測データについて防災科研は、日本とその周辺で起こり得るすべての地震に対して、発生場所・規模・発生可能性に基づき各地点がどの程度の確率でどの程度揺れるのかをまとめて計算し、その分布を地図に示した「確率論的地震動予測地図」をウェブマッピングシステム「J-SHIS Map」で公開。『地震10秒診断』ではこれに基づき、「震度(計測震度)」と「確率」を算出して提供している。
〈2020. 09. 04. by Bosai Plus〉