2020年7月豪雨で倒れた神明大杉の年輪から学ぶ
直近の報道(8月28日付け)に、名古屋大学の研究グループが近く、7月豪雨で倒れた岐阜県瑞浪(みずなみ)市大湫町の樹齢1200~1300年とも伝わる県天然記念物の神明大杉を活用し、過去千年間の気象の分析を始めるというものがあった。2、3年をめどに、大杉の年輪からこの地方の降水量や気温などを計測し、千年分のデータをとって、気候変動の研究に生かすというもの。
名古屋大学は博物館(名古屋大学博物館)を持っていて、岐阜県加子母村から切り出された、木曽ヒノキの日本最大の輪切り標本を展示している。この大ヒノキは樹齢が約950年で直径が約2mあり、平安時代後期から昭和初期までの年輪を刻んでいて、このヒノキから名古屋大学年代測定総合研究センターが測った約800年間の炭素同位体の濃度は、炭素年代測定の指標として役立つ貴重なデータとなっている。
今回の神明大杉の研究は同大学院環境学研究科の中塚武教授(古気候学)のグループによるもので、主に根から20mの部分の年輪から化学物質を測定し、各年代の気象データを記録する。「過去千年間の気象・気候災害史の復元」に期待が寄せられている。
>>岐阜新聞:豪雨で倒木の大杉、年輪で気象分析 「1000年分」研究
〈2020. 09. 03. by Bosai Plus〉