防災士など 個々人の資質・熱意とスキルを
さらに高める

地域特性に合わせて、パワーポイント・データの更新・改訂も可

 総務省消防庁は先ごろ(3月19日)、自主防災組織のリーダーなどの育成にかかる教育訓練のカリキュラム等の作成について、報告書をとりまとめ公表した。
 同報告書は、消防庁が設置した「自主防災組織等の地域防災の人材育成に関する検討会」(座長:室崎益輝・兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科長)で2018年8月から2年度にわたって検討を行ってきたもので、自主防災組織のリーダー向けの教材として、また、組織リーダーに限らず、防災士個々人をはじめ、自主防災組織の構成員、消防団などにも広く活用できる内容となっている。

P4 1 カリキュラムの全体像より - 総務省消防庁 地域防災の人材育成に<br>向けて教材など公開
カリキュラムの全体像より

 近年の大規模災害の頻発はもとより、気候変動の影響などにより想定を上回る災害の発生や 南海トラフ巨大地震、首都直下地震などの発生が懸念されている。これらの大規模災害に対応するには、行政による「公助」に加えて、住民が自発的に行う防災活動である「自助」や、自主防災組織をはじめとした地域の多様な防災組織が連携して行う防災活動である「共助」が不可欠だ。
 自主防災活動は住民の自発的な活動であり、活動の活性化はリーダーの資質と熱意に負うところが大きい。そこで、この課題の解決に向けて、自主防災組織のリーダー等の育成に資する教育訓練のカリキュラム等の作成が求められ、「教育・訓練カリキュラム」、「研修プログラム例」、「研修教材」の作成が行われた。

 総務省消防庁ホームページでは、同報告書のほかに、カリキュラム、プログラム例、研修教材などを公開している(ダウンロード可)。研修教材については地域ごとに想定される災害や課題に合わせて更新・改訂ができるように、パワーポイントのデータや、参考資料として「避難所の運営を円滑に進めるには」研修教材(案)などの具体例も公開されているので、地域活動にスムーズに応用できそうだ。

P4 2 研修教材「避難所の運営を円滑に進めるには」より - 総務省消防庁 地域防災の人材育成に<br>向けて教材など公開
研修教材「避難所の運営を円滑に進めるには」より

<カリキュラム・プログラム例>
>>自主防災組織のリーダー育成のための教育訓練・カリキュラム・自主防災組織のリーダー育成研修プログラム例

<研修教材>
>>【研修教材】 テーマ1:「防災リーダーの役割/住民(構成員)の自助意識を高めるには」
>>【研修教材】 テーマ2:「災害から住民の命を守るには」
>>【研修教材】 テーマ3:「避難所の運営を円滑に進めるには」

>>総務省消防庁:自主防災組織等の地域防災の人材育成に関する検討会 報告書

〈2020. 05. 01. by Bosai Plus

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