東日本大震災の教訓を後世に伝え、
希望と復活を甦らせるツーリズムへ
東日本大震災の教訓を後世に伝える「震災伝承施設」登録制度は2018年度に創設され、申請に基づき震災伝承ネットワーク協議会(構成機関:東北地方整備局、青森県、岩手県、宮城県、福島県、仙台市)が登録を行っている。
「震災伝承施設」とは、東日本大震災から得られた実情と教訓を伝承する施設で、次のいずれかの項目に該当する施設が該当する。
①災害の教訓が理解できるもの
②災害時の防災に貢献できるもの
③災害の恐怖や自然の畏怖を理解できるもの
④災害における歴史的・学術的価値があるもの
⑤その他(災害の実情や教訓の伝承と認められるもの)
>>震災伝承施設
「震災伝承施設」のカテゴリは3つに分類され、「第1分類」は上記の①〜⑤の要件を満たすもの、「第2分類」は第1分類うち、公共交通機関などの利便性が高い、近隣に有料または無料の駐車場があるなど、来訪者が訪問しやすい施設。「第3分類」は第2分類のうち、案内員の配置や語り部活動など、来訪者の理解しやすさに配慮している施設。
これまでの「震災伝承施設」登録総数は、初回登録時点(2019年3月28日)で192件、その後、8件の追加が行われ、200件となっていたが、去る2020年1月30日、震災伝承ネットワーク協議会が仙台市で開催され、新たに申請のあった「震災伝承施設」への追加登録施設24件を決定、これにより登録総数は224件となった。
今回追加された「災害伝承施設」の内訳は、青森1件、岩手6件、宮城10件、福島7件。登録施設リストと位置図は、下記URLで確認できる。
>>震災伝承施設 一覧
2020年度は、東北地方でさまざまな学会や国際会議などが開催され、参加者が数千人規模のものもあり、同協議会では今後、震災伝承施設を訪れてもらえるよう取り組んでいく。青森県から福島県にかけて点在する震災伝承施設を「3.11 伝承ロード」として訪れやすい環境づくりに力を入れ、道路沿いに施設の案内表示を設置するほか、学校や企業向けに防災教育のプログラムを提供する。また、カーナビゲーション用の地図をつくる業界団体「日本デジタル道路地図協会」とも協力、カーナビにわかりやすい表示ができるようになど、産学官の連携を強める方針だ。
ダークツーリムズならぬ“希望と復興のツーリムズ”を志してほしい。
>>震災伝承ネットワーク協議会:「震災伝承施設」登録制度について
〈2020. 02. 21. by Bosai Plus〉