SNS投稿情報も活用、避難・救助に役立つ
本紙は11月2日付け「広域同時多発水害に どう備えるか」でカット図版で国土地理院資料「利根川水系(鹿島川・高崎川)佐倉市周辺の浸水推定段彩図」を取り上げたが、この「浸水推定段彩図」がその後、避難の判断や救助にも役立つと、関係各方面やマスメディアで話題だ。これは、昨年の西日本豪雨のとき、国土地理院の若手職員(吉田一希さん)が「SNSで水害に遭った被災現場の写真投稿などを見ていて制作を思いついて、自分で作ってみた」(FNNによる)という。
「段彩図」とはいかめしいが、これは水に漬かった地域を色づけし、濃淡で水深を示したもので、国土交通省が収集する航空機などが撮影した俯瞰写真や、SNS投稿画像での建物の浸水状況を推定し、地理院が持っている標高データと組み合わせて解析すると作図できるという。
そのわかりやすさが高く評価され、地理院ホームページでは台風19号による千曲川や阿武隈川などの地図を順次公開、一時はアクセスが集中し、閲覧しにくくなるほどだったという。洪水発生から5〜6時間で作図できるとのことなので、今後さらに利活用が期待できそう(「段彩図」の名称変更をお願いしたいが)。
>>国土地理院における災害対応支援の取組み(「浸水推定段彩図」の説明あり)
〈2019. 12. 03. by Bosai Plus〉