「現在の雪」で外出予定変更や迂回経路の選択も
3日先の降雪量予測、山形県、福島県(会津地方)、新潟県、富山県、石川県、福井県では「一層の警戒呼びかけ」
温暖化、異常気象の影響のもと、近年は、2018年1月の首都圏での大雪や2月の北陸地方での大雪など、集中的・記録的な降雪が発生し、大規模な車両渋滞・滞留を引き起こすなど、社会活動への影響が問題となっている。気象庁はこの状況を踏まえ、11月13日16時から、現在の積雪・降雪の分布を推定する「新しい雪の情報」の提供を開始した。また、今冬から、大雪の際に各地の気象台が発表する気象情報において、「3日先までの降雪量予測」を提供するほか、短時間に記録的な大雪があった際には一層の警戒を呼びかける。
【ポイント】
1.「現在の雪」(解析積雪深・解析降雪量)の提供
アメダスの積雪計による観測値に加え、現在の積雪の深さと降雪量の分布を推定する「解析積雪深・解析降雪量」の提供を、2019年11月13日16時より、気象庁ホームページで開始。
>>気象庁:「現在の雪」(解析積雪深・解析降雪量)
これにより、雪の観測が行われていない地域を含めて積雪・降雪の分布を把握できるようになり、外出予定の変更や迂回経路の選択等に利用できる。
2.「3日先までの降雪量予測」の提供
冬型の気圧配置により日本海側で数日間降雪が持続するようなときなど、降雪量について精度よく予測が可能な場合には、府県気象情報等に「48時間先からの24時間予想降雪量」を記述する。
3.短時間の大雪に対する一層の警戒を呼びかけ
山形県、福島県(会津地方)、新潟県、富山県、石川県、福井県において、顕著な降雪が観測され、今後も継続すると見込まれる場合には、「短時間の大雪に対して一層の警戒を呼びかける情報」を発表する。
わが国は先進国のなかでは稀にみる豪雪地帯を擁している。豪雪地帯は、国土の約51%(市町村数では約31%)に及ぶ広大な面積を占め、また、総人口の約15%・約1900万人を擁している。そして例年、降積雪期に雪害犠牲者が発生する状況が続いている。
大雪、暴風雪などで死者、重傷者などの人的被害をはじめ、住家被害や電力、水道等ライフライン被害、交通障害、農林水産業への被害が多大な状況が続いている。豪雪地帯の発電所や送電線あるいは鉄道、高速道路などに雪害トラブルが発生すれば、連鎖的に都市部や非豪雪地帯にも深刻な影響を及ぼす可能性があり、「雪害」は決して地域限定的な災害ではない。
降雪・積雪情報に十分留意し、豪雪地帯を擁する先進国として「克雪」に挑みたい。
〈2019. 12. 02. by Bosai Plus〉