地域別に「恐れられている災害」、
「ハザードマップ」注目度アップ
恐れられている災害 九州で「豪雨、洪水」、
中国・四国・九州で「土砂災害」が突出
●「避難場所・避難所の確認」、「ハザードマップ」への注目度が上昇
ニュースリリース「PR TIMES」など情報配信サービスの株式会社マクロミル(東京都港区)は、9月1日「防災の日」と3月11日の「東日本大震災」発生日のそれぞれ約1カ月前に、生活者の災害や防災に対する意識調査を実施し、結果を発表している。このほど、第6回目となる「災害や防災に対する意識調査」結果を公表した。調査はインターネットによるもので、対象は全国20〜69歳の男女1000人、調査期間は2019年7月26日28日。
マクロミルによる調査結果のまとめによると――
- 恐れられている災害は、1位「地震」、2位「豪雨・洪水」、3位「大規模な火事、爆発」
もっとも恐れられている災害は「地震」95%で、日本人のほぼ全員と言ってもいいほどの人が地震に対して恐怖心を抱いており、過去調査でもすべて1位となっている。2位は「豪雨、洪水」67%で、2018年6月の西日本豪雨以降にそれ以前よりも10ポイントほど上昇、6割強で推移しているとのことだ。3位は「大規模な火事、爆発」52%で、今年2月の同調査の3位「暴風、竜巻」と順位が入れ替わった。
- 九州で「豪雨、洪水」、中国・四国・九州で「土砂災害」、
四国・九州で「津波」への警戒が他エリアよりも突出
恐れられている災害について居住エリア別(*1)に傾向を見ると、九州地方では「豪雨、洪水」、中国地方と四国地方と九州地方では「土砂災害」への警戒が高く、調査を実施した7月末に活発化した梅雨前線による豪雨が影響したと考えられるとしている。また、四国地方と九州地方では「津波」が、近畿地方では「暴風、竜巻」が、他のエリアよりも突出した。
*1:都道府県を8エリアに区分(北海道、東北地方、関東地方、中部地方、近畿地方、中国地方、四国地方、九州地方)
- 災害への備え、最多は「避難場所・避難所の確認」と「備蓄」で5割
「ハザードマップ」への注目度が上昇
防災に対する意識を見ると、防災を「とても意識している」13%、「やや意識している」48%で、全体の6割が日ごろから防災を意識している。この結果の経年変化をみると、2017年2月は7割だったが、2017年7月以降は6割前後で推移している。
もっとも多くの人が行っている備えは、「避難場所や避難所の確認」と「日用品・水・食料品などの備蓄」でいずれも47%。次いで、地震保険、火災保険、生命保険などの「保険加入」40%、「ハザードマップの確認」30%。
ハザードマップの確認は、2017年7月が44%でその後2割台で推移していたが、今回の調査で3割台に回復した。上昇率で見るともっとも高く、ハザードマップで被害予測を把握しようとする人が増加しているとしている。
本紙(防災プラス)の見立てでは、近年各地で大きな水害・土砂災害が続き、本年5月末から避難情報が5段階レベル表示になるなど避難情報の話題も多いことから、避難場所と避難所の違い(避難場所=緊急的に一時避難する場所、災害の種類ごとに安全を確保できる場所が指定されている。避難所=自宅が被災した住民に、生活の場所を提供する施設)や場所の確認、自分の住む地域のハザードマップへの関心度が高まったものと見られる。
マクロミルの調査内容としてはほかにも、防災イベントへの参加経験の有無や興味、「広域避難場所」と「避難所」の違いの認知や場所の把握状況、居住市区町村の大災害の備えに対する安心感、この先5年以内に起きると思う大災害、災害発生時に注目する情報源など、興味深いテーマが多い。
下記リンクからそれらの調査結果も見られる。
>>同上 調査結果ダウンロード(無料)サイト
〈2019. 08. 19. by Bosai Plus〉