災害時に「配慮が必要なこと」を伝えるスカーフ
市民協働で制作
外見では障がいがわかりにくい 支援の必要性を知らせる「ヘルプマーク」付き
福井市が、外見からは障がいのあることがわかりにくい人が、周囲に支援や配慮が必要であることを伝えるための「障がい者用防災スカーフ」を、災害援助に活用するために制作した。防災スカーフは、市内の事業者や市民の善意・寄付などによって制作・配布が実現したことから、いろいろな主体が協働した成果として注目されている。
スカーフは1000枚の作製を目標としたが、寄付の反響がよく、結果的に1082枚の制作ができたという(4月19日、市の公表時点。寄付金の募集は終了している)。なお、寄付協力者一覧を同ホームページに公開している(寄付総額:133万2000円。2018年1月末現在分)。
防災スカーフのデザインは横山工藝(福井市)が福井市障がい者施策推進協議会での障がい当事者からの意見聴取のうえ、無償で担当、繊維製品事業を行うオリジナル太鼓衣装ドドーン、オーダーよさこい衣装よさこい屋(いずれも福井市)の協力を得て製品化された。
スカーフは縦・横80cmの正方形と大きめで、収納ポケット付き。注意喚起を象徴する黄色と黒を基本としている。障がいや病気の内容、配慮してほしいこと、氏名やかかりつけ医等の個人情報を自分で記載可能な枠を設けており、災害時などに周囲の支援を促すことができる。また、外見から配慮が必要なことがわかりにくい場合、支援の必要性を知らせる「ヘルプマーク」(JIS規格)を収納ポケットにプリントしている。
普段は、スカーフをポケットに収納してマークが見えるよう身に付けることができ、災害時には、スカーフを三角に折り、「配慮してほしいこと」が表になるように肩に羽織ると、右肩にヘルプマークが見えるようになっている。
横山工藝が同ブログで具体的にスカーフの使い方を紹介しているので参照してほしい。
>>株式会社横山工藝:ブログリンク
同スカーフは4月18日から、市内在住の外見から障がいのあることがわかりにくい人を対象に窓口で無料配布(事前申込不要。窓口で氏名、住所、障がい等級などを確認。1人あたり1枚)している。
< 2019. 05. 04 >